雨天日続きの防水工事屋泣かせな天候が続いておりますが・・・
先日より温浴施設の浴室改修工事に伴う、雨天でも施工可能な浴槽内のFRP防水に着手しておりました。
今回のご依頼は、既存の浴槽形状をそのままにタイルのみ張り替えたいが同時に防水も施したい。
少しイレギュラーな施工方法のご依頼でした。
浴槽の防水仕様は一般的にはアスファルト防水で防水するのが一般的。
しかし、アスファルト防水の保護層(モルタルなど)が薄いと、お湯で柔らかくなったアスファルト防水層がタイル表面に滲み出たり、タイルが浮いたり剥がれてくるなど不具合が起きてしまいます。
今回は浴槽形状をそのままに防水の保護層は薄くする仕上げる必要があった為、FRP防水にて施工する事にしました。
〇 FRP防水を選択するにしてもいくつかの重要な注意点があります。
↓
・下地調整材に使用する樹脂モルタルはFRP防水に含まれる、
スチレンに侵されにくい下地調整材を使用する。
・FRP防水に使用する樹脂はポリエステル樹脂ではなく、
ビニルエステル樹脂を使用する。
・FRP防水の表層は、
タイルが接着しやすい状態で仕上げる。
・屋内でのスチレンを含むFRP防水作業は2014年に法改正された、
特定化学物質障害予防規則が適用される。
(有機機溶剤作業主任者技能講習を修了した者から
特定化学物質作業主任者を選任しなければならないなど、
予防規則に対応したいくつかの措置が求められています。)
上記の注意点を考慮し施工に取り掛かりました。
浴槽の側面は仕上げ厚みを確保する為に既存のタイルを斫り取り・・・ ↓
FRP防水に含まれるスチレンで侵されにくい樹脂モルタルを塗り下地調整・・・↓
ポリエステル樹脂ではなく耐薬品に優れたビニルエステル樹脂を使用した浴室仕様でFRP防水(2プライ)・・・↓
ガラスマットを2層積層した後に、表層にタイルが接着しやすいよう工夫した仕上げを行いFRP防水層の完成です。
男湯・女湯 合わせて16槽 (計264 m2)の浴槽をFRP防水しました。
こちらの温浴施設は、コロナ禍で休業した期間にあわせて改装されているそうです。
浴室が綺麗になったリニューアルオープンが楽しみですね。
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